2011-04-06 Wed
「メディアは社会的行動をする者に於いての鏡である」これは、あの悪名高き中野区「葬式ごっこ」事件の研究論文を読んでいた時に目に入った言葉です。ここでいう鏡とは、”鑑みる”の意味ではなく、mirrorそのものです。つまり、この論文においては「メディアが報道した”いじめ”の意義・認識が、ひとびとのそれになっちゃう」という意味を示しているのです。
日本ハムの斉藤祐樹選手が好投を続け、全く失点を許していなかったOP戦序盤、対戦相手の談話が雑誌にのっていました。
「いや〜、新聞やテレビが斉藤くんのいいところばかり報道するから、つい緊張して力が入ってしまいました。」
これって、「メディアは社会的行動をする者に於いての鏡である」そのものじゃないですか!そう、斉藤選手が失投し回転の悪いストレートを投げたとしても「祐ちゃん魅せた2シーム 統一球の扱いバリ?!」と連日報道すれば、対戦相手たちは本当にそのように思いこんでしまうかもしれないということです。
もしかしたら、私の100km/h足らずの直球も「魔性の100km/h!わかっていても打てない!この一球が野球新世代の東雲となるか!」ぐらいに大きく報道されたら、私もプロ野球選手になってしまうかもしれません。 さすがにそれは大げさ過ぎますが。
しかし、メディアにそういった「魔力」が存在するのは確かです。私は、それをしっかりと認識した、誠実なアナウンサーになりたいです。
ちなみに、斉藤選手は阪神とのオープン戦で3回9失点。やはり、メディアの影響なんてそんなものですよね。それともタイガースの打線が凄すぎたのでしょうか!?
いや待てよ、阪神の選手が生活する関西圏のコンビニのスポーツ新聞コーナーを見ると一面はすべて「城島走った! 金本40m間のキャッチボール マートン大丈夫か!?」と、黒と黄色の彪模様。そこには”斉藤”という文字は一切なかったのでした。
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